2017年時点、堀川本郷町内会の公園美化への意識は足りない感じでした。新興町内ならば仕方のない所ですが、変えていくことは出来るかもしれないと思っていました。何しろ、自分たちの住む町内ですからこれは良くしたいと。芝刈り機購入と引き換えに環境係になりました。そこから苦闘の4年間。まだ道半ばですがここまで政治的な騒動を記録しておきます。
町内会の環境係は一人しかいませんでした。そして任期は1年。
私は2018年に環境係を務めましたが、それなりに大変な任務でした。
まず、上部団体への出席が多く、年間10回ほど。次に、町内除草が年4回ほどあり、その準備がとても大変。ジュースの必要数を検討したり、回覧を作成、配布資料を作ったり。当日の人員配置を考え、役員会にはかる。たかが町内除草ですが準備は非常に大変です。そのうえゴミステーション。蜂が巣を作った、不法投棄があったなどの対応に追われる。
公園4か所、ゴミステーション4か所。与えられた任務をこなすことで精いっぱいの日々でした。普通の人が環境係を承れば、これだけ忙しい環境で公園をよくしようと考える隙間は生まれないでしょう。除草の日は雨が降って中止になってほしいし、早く1年が終わってほしいと考えても不思議ではありませんでした。
この様な経験から、私は公園の美化を進めるためには環境係を増員するのが適切だと考えました。一つの公園に一人、公園を心配する人を作る。一年間、最寄りの公園だけにフォーカスするならば、公園の様々な変化や美化のアイデアに気づき行動計画を策定できる余裕が生まれるでしょう。
2018年度の総会で増員を提案しました。しかしコロナが来て、まともに合意の形成をしていく暇もないうちに2019年度にアンケートを取られ、投票で議決され、否決されれしまいました。これで合意の形成をはぐくむ機会が失われました。普通に考えれば、大半の住民にとっては係の増員は面倒な事であり、賛成する人が半分を超えないのは予想がつきました。議決により、これ以上議論を続ける道を塞がれてしまいました。このような住民の負担を大きくする提案は、本来ならば数年かけてゆっくりと合意を形成していく必要がありました。
決まったものは仕方ありません。
それがだめならと、次に環境係の実質的な増員を考えました。OB制です。まず私が環境係を退いた後、次の環境係のお手伝いをすれば、その時点で実質二人になります。そして、次の環境係の方には、「1年間お手伝いするから、次の1年間は出来る範囲でお手伝いして欲しいんだ」と交渉すれば、「手伝ってくれてありがたいし、じゃあ出来る範囲でOK」と乗ってくれる可能性が高いです。そうしたら、私と合わせて環境係が実質3人になります。これぐらいいれば、計画作成なども立てられるようになると思います。
しかし、これにも壁が立ちはだかりました。次の環境係にOBになってもらおうと町内会に打診したところ「役員になってもらう必要がある」「毎回役員会に出席してもらう必要がある」と。これはたまりません。交渉してみると「正式な役員となるのは条件だが(お目こぼしで)役員会には出席しなくても良い」と。現実には、そんな条件に同意するほどのお人よしはめったにいませんでした。
またしても増員の道は断たれました。
2020年度は人的交流が極端に制限され、個人的な公園美化活動は完全に孤立してしまいました。町内除草も行われず、雑草と戦い続けました。
最後の手段は、任意の団体「公園愛護会」を作るしかありませんでした。しかしこれは個人的に抵抗がありました。なぜなら、公園を美化することは町内会の公的な活動であり、受益者は町内住民(とその近隣住民)だからです。除草を趣味でやるわけではありません。
町内会が「あ、君は除草が好きなのね、じゃどうぞ」と考えることは、町内住民の意識を分断することになりかねません。実際、役員会がそう考えている様子がうかがえました。
殆どやぶれかぶれで個人活動を続け、機を伺いました。
そして2021年ついに、役員会による「個人での除草活動を制限する動き」が出てきてしまいました。除草活動は、器具の出し入れに公民館を使い、必要ならば除草剤も使い、公園という公共の場所で草を植えたり抜いたり枝を打ったりするので、違法と紙一重と言われても仕方ない所があったためです。「お前、公園で勝手に何やっているんだ!」という訳です。
あの手もダメ、この手もダメと追い詰められ、最後の砦として公園愛護会を作った、という流れです。
役員会となかなか折り合えず、気持ちがくじけてしまいました。私は「出る杭がたたかれるような、こんなことはもう辞めたい」と思いました。しかし、その前にせめて連絡はしなくてはと、何人かの以前の盟友を頼りました。親身になって相談にのってくれる人がいました。今は道が開けてきているようにも感じています。もっと早く相談すればよかったのかな?
彼らに助けられ、今は愛護会の立場からでも(町内会の心を分断するのではなく)町内会の意識を良い方向に変えていく活動は出来るような気がしています。
私が特別に除草をしなくても、住民自らが喜んで町内を美化していくようになる日が来たら、うれしいです。
2022年3月、堀川本郷公園愛護会 代表